墓じまいの進め方|実家のお墓の話を帰省前に切り出す順番と、手続きの流れ

生活

年末年始の帰省が近づくと、実家のお墓のことが頭をよぎる方は多いのではないでしょうか。遠くて通えない、親が高齢で掃除や草刈りがつらそう、自分たちの代で守れるか分からない。気になっていても、親にどう切り出せばいいのかで止まってしまうことが少なくありません。

この記事では、墓じまいの言葉の意味と、家族への切り出し方の順番、役所や寺院での手続き、費用の考え方までを順に整理します。

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墓じまいと改葬は何が違う?

墓じまいは、今あるお墓を撤去して更地にし、墓地の管理者に返すことです。遺骨を別の場所に移す手続きは「改葬」と呼ばれます。

神戸市の案内では、墓じまいは遺骨を別のお墓や納骨堂に移したうえで、元のお墓を撤去することとされています。遺骨の行き先を決めずに、お墓だけ先に壊すことはできません。

墓じまいをする人は増えている

厚生労働省の統計では、令和6年度の改葬は全国で176,105件で、前の年度より約1万件増えています。平成26年度は約8万4000件だったので、10年でほぼ倍になった計算です。

費用の負担が引き金になる例もあります。札幌市営霊園では、市が令和8年度から大半の利用者に管理料を毎年求めると決めたことをきっかけに、区画の返還申請が過去最多になったと報じられています。

家族に切り出す前に、先に確認しておくこと

話を持ち出す前に、事実だけ先に集めておくと、会話が感情的になりにくくなります。

  • お墓の場所と、墓地の種類(寺院墓地、公営霊園、民営霊園など)
  • お墓の名義人(承継者)が誰か
  • 誰の遺骨が何体入っているか
  • 管理料はいくらで、いつ誰が払っているか
  • きょうだい(お墓を継ぐ可能性のある人)の人数

たとえば「名義人は十年前に亡くなった祖父のまま」というお墓は珍しくありません。名義の変更が必要になると、墓じまいの前に手間が一つ増えます。

切り出す順番は、きょうだい→親→親族

いきなり親に「お墓どうする?」と聞くと、「縁起でもない」と流されがちです。順番を決めておくと話が進みやすくなります。

  1. きょうだいと先に話す。 お墓を誰が見るのか、誰がどこまで負担できるのかを、ざっくり共有しておきます。
  2. 親には「困っていること」から話す。 「通うのが大変そう」「管理料が上がるらしい」のように、親の負担に寄せた言い方のほうが受け止めてもらいやすいです。
  3. 親の気持ちを先に聞く。 先祖のお墓を守りたい気持ちが強い親世代もいます。結論を急がず、今回は話を聞くだけで終わらせるのも一つの進め方です。
  4. 親族には、親の意向がまとまってから伝える。 順番が逆だと「聞いていない」という不満が出やすくなります。
  5. 最後に寺院や霊園の管理者に相談する。 先に伝えると、家族の話がまとまる前に話が動いてしまいます。

墓じまいが本当に必要か、一度立ち止まって考えることも大切です。ブームの中には、よく考えたほうがいいケースも含まれると指摘する僧侶もいます。通えない理由や維持の負担が解決できないかも、先に整理しておくと後悔しにくくなります。

墓じまいの手続きの流れ

大まかな流れは次の通りです。書類の名前や書式は自治体によって異なるので、必ずお墓のある自治体の窓口で確認してください。
墓じまいの手続きの流れ

大まかな流れは次の通りです。書類の名前や書式は自治体によって異なるので、必ずお墓のある自治体の窓口で確認してください。

1. 親族の合意を取る

相談先:家族・親族
お墓の名義人や、きょうだいを含めて話をまとめます。

2. 遺骨の行き先(改葬先)を決める

相談先:霊園、寺院、納骨堂など
遺骨の行き先が決まらないと、先に進めません。

3. 改葬先から受入証明書をもらう

相談先:改葬先の管理者

4. 今のお墓の管理者から埋葬証明をもらう

相談先:現在の墓地の管理者

5. 改葬許可証を申請する

相談先:お墓のある自治体
住んでいる市区町村ではなく、お墓の所在地の自治体に申請します。

6. 閉眼供養をして、遺骨を取り出す

相談先:寺院、石材店

7. 墓石を撤去して、墓地を返還する

相談先:石材店、墓地の管理者
更地に戻したうえで、墓地を管理者に返します。

8. 改葬先に遺骨を納める

相談先:改葬先の管理者

改葬許可証は、現在お墓がある自治体に申請します。住んでいる市区町村ではなく、お墓の所在地である点に注意してください。

費用は何にいくらかかる?

費用は、お墓の広さ、墓地の場所、改葬先の種類で大きく変わります。専門家が費用の相場について「最大300万円」と説明した報道もあります。幅が大きいので、必ず複数の見積もりを取って比べてください。

主な内訳は次の通りです。

  • 墓石の撤去・処分費(石材店)
  • 閉眼供養のお布施(寺院)
  • 離檀料(寺院墓地の場合。法律で決まった金額はなく、寺院との話し合いになります)
  • 改葬先の費用(永代供養墓、納骨堂、樹木葬など)
  • 行政手続きの手数料(自治体によって異なる)

寺院との話し合いが不安な場合や、お墓の権利関係が複雑な場合は、行政書士や弁護士などの専門家にご確認ください。

自分たちだけで進めるのが大変なとき

寺院や霊園との連絡、石材店の手配、役所の手続き、改葬先探しは、遠方に住んでいるとかなりの負担です。平日に何度も役所に行けない人も多いと思います。

そんなときの選択肢として、墓じまいを代行するサービスがあります。「墓じまいパートナーズ」は、お墓の撤去と改葬をまとめて請け負うサービスとして、寺院・霊園とのやり取り、石材店の手配、行政手続きのサポート、改葬先の紹介までを一括で提供するとしています。

使い方は、問い合わせて相談する形と、複数社の見積もりを比べる形が用意されています。依頼する前に、次の点だけは確認しておいてください。

  • 見積もりの総額に何が含まれ、何が別料金か
  • 寺院との交渉をどこまで任せられるか
  • 親族の合意が取れていない段階でも相談できるか

申込のあとは、メールや電話で確認の連絡が入ることがあります。

よくある質問

Q. 親の同意がなくても、墓じまいは進められますか? お墓の名義人(承継者)が手続きを進めるのが一般的です。ただ、名義人が自分でない場合は、先に親や親族と話をする必要があります。名義や権利関係が複雑なときは、専門家にご確認ください。

Q. 離檀料は必ず払わないといけませんか? 金額が法律で決まっているわけではありません。まず寺院と話し合って決めることになります。金額に納得できないときは、行政書士や弁護士などの専門家に相談する方法もあります。

Q. 取り出した遺骨は、どこに納めればいいですか? 永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨などがあります。承継する人がいない場合は、永代供養付きのものが選ばれることが多いです。

Q. 全部で、どのくらいの期間がかかりますか? お墓の状況や親族の合意の取りやすさで変わりますが、数か月かかることもあります。年末年始に話を切り出して、年が明けてから動き出す形でも遅くありません。

まとめ

墓じまいで大変なのは、手続きより、家族の話し合いかもしれません。まずはお墓の名義人や場所などの事実を集めて、きょうだいと話すところから始めてみてください。親に話すのは、その次で大丈夫です。

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