親が施設に入ることが決まると、入居の準備と同時に「誰も住まなくなる実家をどうするか」という問題が出てきます。筆者自身はまだ経験していないので、一般的な流れや公的な情報を調べて、選択肢を整理してみました。
まず確認したいこと
実家の今後を考える前に、次の3点を確認しておくと話が進めやすくなります。
- 実家の名義は誰になっているか(登記事項証明書で確認できます)
- 住宅ローンが残っていないか
- 親本人の意向と、現在の判断能力
特に名義と判断能力は、あとで選べる選択肢を左右します。
施設入居後の実家、主な4つの選択肢
1. そのまま残しておく
すぐに結論を出さなくていいので、荷物や思い出をゆっくり整理できます。一方で、住まなくても固定資産税はかかり、換気や庭の手入れなど管理の手間も続きます。
2. 片付けて賃貸に出す
家賃収入が見込める可能性がありますが、修繕やリフォームの費用、入居者対応が必要になります。
3. 売却する
管理の負担がなくなり、まとまった資金にもなります。ただし、次の章で触れるように、名義人の判断能力が関わってきます。
4. 解体して更地にする
建物の老朽化リスクはなくなりますが、解体費用がかかります。
どれが正解というより、家の状態、親の意向、家族の状況で変わります。
売却を考えるとき、先に確認したいこと
不動産の売却は、名義人本人の意思確認が前提になります。親の判断能力が十分でなくなっている場合、家族が代わりに売ることはできず、成年後見制度を利用する必要が出てくることがあります。また、本人が住んでいた家(居住用不動産)を後見人が売却する場合は、家庭裁判所の許可が必要になることもあります。
判断能力があるうちに、家族信託や任意後見などで備えておくという選択肢もあります。相続・税金・成年後見に関わる部分は、司法書士・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。
片付けは、どこから始めるか
- 貴重品と重要書類(権利証、通帳、保険証券など)を先に確保する
- 親に、施設へ持っていく物と残したい物を聞く
- 残りの量を見て、自分たちで進めるか業者に頼むかを決める
量が多い場合や遠方に住んでいる場合は、業者への依頼も選択肢になります。選び方は次の記事にまとめています。
あわせて読みたい:[遺品整理・生前整理業者のおすすめの選び方]
あわせて読みたい:[実家じまい(空き家整理)の進め方]
空き家のままにしておく場合の注意
住んでいなくても固定資産税はかかります。管理が行き届かない状態が続くと、自治体から「特定空家等」に指定される可能性もあるため、定期的な換気や見回りの方法は決めておくと安心です。
よくある質問
Q. 親が「家は残したい」と言う場合は?
本人の気持ちを尊重して、まずは当面の管理方法(換気、郵便物の確認、見回りの頻度)を決めるところから始めるのがよいと思います。処分の話を急ぐ必要はありません。
Q. 兄弟姉妹で意見が分かれたら?
将来の相続で揉めないよう、早めに家族で話し合う場を持つことをおすすめします。まとまらない場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談する方法もあります。
Q. 遠方に住んでいて、なかなか通えません
見回りや片付けの負担が大きい場合は、業者に頼む選択肢もあります。まず無料で相談できるところから比べてみるとよいと思います。
まとめ
親が施設に入った後の実家は、残す・貸す・売る・解体するの4つが主な選択肢で、名義と親の判断能力によって選べる道が変わります。急いで結論を出さず、親の意向を聞きながら、専門家にも相談して進めてください。


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